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僕が「ガールズ&パンツァー 劇場版」にハマらなかった訳

「ガールズ&パンツァー」のテレビ版は2012年。その後2015年に「ガールズ&パンツァー 劇場版」が公開されました。

 

「ガールズ&パンツァー」を超簡単に説明すると、「戦車道」という戦車を使ったバトルが一般化された世界で、JKたちが戦車に乗り、戦車バトルをしていき勝利&成長していく、というアニメ。

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戦車というと異質感が漂うが、要はそういうスポーツだと思ってもらうと話が早い。
戦車で実弾の大砲をぶっ放して建物を破壊したりするけど、決して人は死なないスポーツであり、ファンタジーである。

 

多分この作品を考えたときの企画会議では

「JKが戦車乗ったら萌えるよねー」

「でも戦争をテーマにすると、暗い話になっちゃうよねー」

「じゃあスポーツ競技にしちゃえばいいじゃん」

「最高www天才www」

こんな感じで決まったのだろう(笑)

 

このアイデアは面白くて素晴らしい。
実際TV版も劇場版もヒットしたようである(僕はリアタイで観てないので、どんな人気だったか肌感ではわからない)

 

僕も遅ればせながらTV版を観て、次に劇場版を観たわけですが、どうもハマらなかった。その理由を書いていきたいと思う。

 

「ガールズ&パンツァー」の醍醐味といえる戦車バトルについては、これはもう何も言う事はありません。劇場版ということで、TV版を超えた迫力と派手さで、さらにはWikipediaによれば音響にこだわったそうで、映画館でみればさらに素晴らしいものになってるのでしょう。

 

ハマらなかった最大の理由はシナリオのほうですね。
TV版で廃校を逃れたと大団円で終わっておいて、今回はその廃校撤回はただの口約束で、検討したけどやっぱり無理だったとなり、廃校問題が再びわきあがったのです。

 

ちょっと安直さを感じますが、まぁいいでしょう。

 

生徒会長と文部科学省の人が話し合って、なんとか大学選抜チームに勝てば廃校はとりやめると約束し、今度はちゃんと誓約書を取り交わす。

文部科学省の人は大洗女子学園を負かすために、色々と卑怯な手をうってくるわけです。

 

ここです!問題点は!

 

なぜ文部科学省の人は卑怯な手をうってまで大洗女子学園を廃校にさせようとしているのか?

ここが最後まで不鮮明なのですよ!

 

そこを不鮮明なままにしたのは、その理由が物語上重要な事柄ではない、ということですよね。
たしかにTV版のときも廃校理由ははっきりとはしてなかったと思います。でも学校が廃校になるというのはリアルでも起こりうることです。
でも今回は絶対に廃校にさせようという明確な悪意があります。

想像は出来ますよ。ここまで手段を選ばないとなると何かしらの横領やら癒着やら裏取引やら、何かあるのだろうと。
でも語られてはいません。そんなことは重要じゃないから。

大洗女子学園の生徒達はただただ理不尽な目に遭い、大学選抜チームとの戦いに臨むのです。

 

問題点がハッキリしましたね。

 

廃校になる理由は大洗女子学園と大学選抜チームとを戦わせるためなのです。
文部科学省の人が卑怯な手を使ったのは、ライバル校の生徒たちもこの戦いに参加させるためであり、不利な状態から打ち勝つためなのです。
そういうことなのです。

 

つまり、最初に大学選抜チームとの戦いの構想があって、逆算しながらシナリオを組み立てた結果だから、リアリティを感じさせない強引な展開になっていったと思うのですよ。

本当は大学選抜チームとの戦いはエキシビションマッチでやれば自然で問題はなにもないけど、しかしそれだとドラマ性ないよね。

 

もちろん娯楽アニメでありフィクションですし、そして映画では戦車バトルのほうに重点をおいているから些細な問題なのかもしれない。
でも戦車バトルがファンタジーであるからこそ、それを行う理由である部分は、リアリティが欲しかったのです。